子宮型恋愛(脳の右側でやれ)

一昨年くらいから恋とか愛とかにうつつを抜かしています。 私ももう実はあっというまに三十路を超えたので、恋とか愛とかはしかじゃねんだし、一瞬かかっても風邪界でいうところの「鼻水ちょっと出るわ」くらいで済んでいた。喉も痛くない程度の。「済んでい…

怖いよ!『哀れなる者たち』

『哀れなるものたち』見た。見たあとは結構ムカムカしていたのだがいろいろ話したり読んだりしているうちに怒りも冷め、スルメのような映画だなと思わないでもないので、そのスルメ性について書く。(私はスルメのような映画が必ずしも良い映画とは思わない…

英国映画協会「史上最高の映画100」配信サービスまとめ

気づけば2024年に年が改まっていて、また人類は「新年の抱負」を更新なんかしているが、私は何方かと言えば「新年の抱負」派ではなく「新しい年齢の抱負」派で、なぜならば20XX年になることというよりも自分がXX歳になることのほうがより直感的で、ゆえによ…

平成生まれの開き直り『ヒート』

現在でいう「プロフェッショナル」という言葉は、専門家や職業人といった意味ではなく、「対象に対する妄執的な献身を行うこと」を意味することが多いと思うのだが、まさに本作の刑事(アルパチーノ)と犯罪組織のボス(ロバートデニーロ)はその意味での「…

Feminism has been solvedな世界で思う人間の描き方

映画バービー見ました。 完璧な世界であるバービーランドで過ごしていたはずのバービーがある日突然扁平足になる。リアルワールドに干渉元を探しにいくのだが、バービーランドとリアルワールドの交差を恐れた男性CxOたちはバービーを捕まえようとする。から…

だいたいの怒りは自分のせい

大衆への怒りというかストレスが凄まじい。InstagramはブスばかりだしTwitterはフェイクツイートばかりである。脳の癖だけで開いてしまって自己嫌悪に陥る。この前書いた記事もそういった大衆による括弧付きの「クリエイティビティ」に辟易していたのである…

MOMATの「重要文化財の秘密」展に行った記録

混雑というのはなぜ生まれるのだろうか。東京は名所はもとより喫茶店もレストランも買い物施設も、いたるところが観光地化している。美術館もまたそのようで。「観光地化」の対義語を作るとするならば「生活化」だと私は考えていて、とどのつまり、そうした…

250年も私たちは色恋沙汰を続けて

ピエール・ショデルロ・ド・ラクロによる『危険な関係』を友人に勧められて読んだ。本裏表紙のあらすじによれば、「十八世紀、頽廃のパリ。名うてのプレイボーイの子爵が、貞淑な夫人に仕掛けたのは、巧妙な愛と性の遊戯。一途な想いか、一夜の愉悦かーー。…

平凡沼にダイヴ!

「四十超えてからなんだかいらいらする」と言ったのはいとうあさこだけど、私は三十超えてから生理前でもないのにむかむかすることが増えた。何を見てもむかつくし、むかつきがむかつきを核連鎖的に呼ぶというむかつき。むかつきが重なると頭痛がして、何を…

膣は病み、女はセフレに恋をする(末に逢うことはないのだが…)

人並みに性交をするようになってから、なぜ私たちはセフレに恋してしまうんだろうかと考えている。連絡頻度やら連絡の文体が過剰に気になりそれらを眺め、考えるときのつんとした感情、恋のはじめと終わりに起こる”克己心”的振る舞い(スキンケア用品の買い…

感傷的に五月を終える

こうして自分の感情と文章に向き合うのも久しぶりだ。気づけば三月からブログを書くことをしていない。しかし三月以降いろいろなことは起きている。仕事のどうしようもなさ、人間関係(恋愛・異性関係)のどうしようもなさ。こういうことを考えるのは誇張抜…

物語を読むことと人の心を読むこと

生理前のジュンク堂書店はすごく気が滅入る。自分が読んでこなかった本、知らない本、知ったって読もうとしない本、そういうものがすべて襲いかかってくる。それらの本を読んでこなかったのは、知らないのは、読もうとしないのは、ひとえに私と私の怠惰が悪…

あなたが祈ったから2021年が終わる

働きはじめてからというものの季節の流れがとにかく早い。1ヶ月が早い。1年が早い。今年は特に10月中旬からの記憶がない。クリスマスのことは好きだがその日が実際に来てしまう日のことやその日の自分のことを想像すると頭が狂う。友人とそういう話をしたら…

十一月 - 文体の問題

秋口頃からこのブログをきちんと書こうと、やわらかく決意はしていたものの11月は完全に筆が止まった(タイピングが止まった)。書名は出さないが、新聞の書評欄に載っていたエッセイ本を買って読んだ。小説に出てくる土地を訪れながらそこでその小説を読ん…

十月 - あなたは争いが好き

川の流れは絶えずして、今月もNetflixを漂う。「アイリッシュマン」を観る。去年くらいの作品だったっけと思ったら2019年の作品で、Netflixに浮かぶ新作はかつ消えかつ結びて。スコセッシ監督の作品は「シャッターアイランド」と「ウルフ・オブ・ウォールス…

下着をまとう

かつて、自分のなかでヨーロッパの下着を買うことに夢中になった時期があって、その頃はまだ私も学生で、親のすねを髄までかじり残ったところは煮込んでブイヨンにするような性格をしていたので、その勢いで決して安くはないその品々を銀座三越にて買い漁っ…

解放、灯り

新型肺炎に関するもろもろの山が劇的に谷のごとく激減し、街の店店は恐る恐る二年前までの活気を取り戻そうとしている。 私は仕事終わりに週二回でジムに行く。大体夜7時くらいに仕事に目処をつけてジムに向かい、1時間くらい運動するので帰ってくるのが夜8…

死線生理

女性にとって自分の体というのはコントロールできないものであったと思う。みなそれぞれ、基本的に何か障害を抱えていなければ、自分の体というのは自由気ままに動かせるものだと思い込んでいる。女性にとっての生理はそういう思い込みを一刀両断し自分の身…

六月-九月合併号

働いているといろいろと億劫になる、というのは言い訳かもしれず、働く以外に何もしないでいると何をするにも億劫になる、というのがおそらく正しい。そういう状況が後ろめたくまた情けなく、なので最近は強制的に朝、英語のレッスンと自分の勉強を行うよう…

5月

きっと6月を過ぎる頃には「もう2021年も半分が終わったなあ」などと思うのだろうな。積み上げ式に人生を考えているとあっという間におっちんでしまいそう。月ごとに目標を立てて成果を書こう、などと5月の頭は思っていたのだがまた無計画に本を読んだりして…

4月

四月のきらめきに、年を重ねるごとに負けそうになる。しかし十分に成人であるくせに春が憂鬱だと白状することは自分の人生の情けなさを認めるかのようであってやるせない。 服藤恵三『警視庁科学捜査官』(2021年) ツイッターで話題になっていたので手に取…

3月

ミン・ジン・リー『パチンコ』上・下(2020年) パチンコ 上 (文春e-book) 作者:ミン・ジン・リー 発売日: 2020/07/30 メディア: Kindle版 ツイッターでのレビューもアマゾンのレビューも良かったわりに私としては全然好きじゃなくて読書時間の9割で苦痛を感…

2月(幼少期の第六感と現在の日曜日の夜)

いままでいろいろとこのブログでも労働についての文句を垂れてきたがそれでも労働は手を変え品を変え不愉快を私に与え続けてくるのだから凄まじい。そのあたりの話はまた別の機会に行うとして、そうして労働で血ののぼった頭を冷やすための読書、観劇の記録…

平凡な日曜日の終わりのなぐさみ

毎週末に「明日からの仕事がいやなんだ日記」(穂村弘のエッセイ集タイトルのぱくり)を書いていたらおもしろくは無くともそれなりの発見はある日記集になるかもしれないな。働き始めて数年になるけど毎年1ヶ月近い有給休暇を取っていたらすっかり労働との付…

一月

1月 仕事もなく暇だったのでこまめに本を読もうとした。働いているときに比べればよく読むことができたが想定より進まず。といっても私という人間のキャパシティはこれくらいなのかも、と思って許してはいる。以下、本、映画、観劇、美術展について観た順。 …

もはや懐かしい舌触り

今年は映画をよく観た。本でも美術展でもなく映画だった。年のはじめは「パラサイト」('19)の公開もあって韓国映画のおもしろさを知ってあわせて15作品ほど韓国作品を観たと思う。パク・チャヌクの「オールドボーイ」('03)、同じくパク・チャヌクの「JSA…

終末・2020年

年内の仕事を終わらせたり、今年の頭に会ったきり会えずにいた人に会ったり、あとは部屋の片付けと冷蔵庫の掃除を終わらせてしまえばまた1年が終わりだ。 今年の年末年始の帰省は感染症の流行もあって取りやめた。母がお節を作って送ってくれるらしい。年末…

秋の終わり、将来の夢

寂しさとか孤独について話してしまうのはみっともないといつも感じている。特にその書き方によっては、感情の動きについて上辺だけの過剰な言葉で描写しただけの、昨今のインターネットでよく見られる文章になるため。それに、そういう状態がこれまでの人間…

労働に関する70回目くらいの低空飛行

いろんなことを書いては消し、書いては消ししているが、なかなか真剣に書こうと思うと書ききれなくて、怠け者のパターンだと思う。真剣に書くためには真剣に考える必要があるのだが、「書かなければ」という焦りでペンを握るときはたいてい考える気力が無い…

2020年は8月1日に梅雨が明けた(関東地方)

梅雨が明けた。八月の週末って四回しかないんだなーと思うと、学生の頃より夏が好きになっている気がする。学生を長くやっていたけど、学生の夏といえば終り頃にゼミ合宿があって、ゼミ合宿では自分の研究発表をする場が設けられるので、大学生の夏休みが七…