だいたいの怒りは自分のせい

大衆への怒りというかストレスが凄まじい。InstagramはブスばかりだしTwitterはフェイクツイートばかりである。脳の癖だけで開いてしまって自己嫌悪に陥る。この前書いた記事もそういった大衆による括弧付きの「クリエイティビティ」に辟易していたのであるがしかし大衆への怒りをぶつけたところで自分の人生が豊かになるわけではないのは当たり前で、打ち克つ方法はただ一つ自分がすぐれた人間になるほかない。といって積み上げられた本を眺める。

 

『少女ファイト』という漫画に最近はまっている。きっかけはマガポケという少年マガジンの漫画アプリで無料配信されていたからであるが、もっと先のきっかけは好きだった同人作家がこの漫画を好きだと言っていたことが記憶として蘇ってきたからだった。

それぞれにトラウマを抱える女子高生たちがバレーを通じて乗り越え、また他者の心の理解には時間と誠意を尽くす必要がある、というようなことがテーマの漫画で(おそらく)、登場人物も含めた話の「めんどくささ」が気に入っている。

漫画の本題はそういったところにあるので以下は細部の話でしかないのだが、登場人物たちがそれぞれ自分の困難を乗り越えるために描かれる行いが単純にも心に刺さる。むしろ私にとっての本題はこちらのほうだ。

一つはいわゆる「断捨離」を行う場面。綺麗好きの監督にしたがってそれぞれ部員が部室や自室を清掃するシーンがあるのだが(11巻)、それはこのようなセリフで締め括られる。

「これからは常に必要か不要かの取捨選択を迅速に処理する習慣をつければ問題を先送りする悪癖もなくなる/いいかいつでも行き詰まったら整理整頓に励め/そうすればおのずと心も安定してくる」

これを読んだあとに服の断捨離をしたことは言うまでもなかろうもん。

また、依存症の生徒を集めその症状を治していく高校における指導の場面(15巻)。「基本は規則正しい生活習慣と身の回りの整理整頓掃除を徹底してもらう」ことからはじまるわけだが、「朝起きたらこのように必ずベッドメイクと掃除をしてください/そして就寝までベッドに横たわることは禁止です」とまあ怠惰な人間の気持ちをよくわかっている。私は昼過ぎにベッドに横たわりながら携帯をいじって、見たくもないSNSを見て大衆ガーと騒いでそのまま夜まで眠りに落ち、自己嫌悪に陥る、というような自傷的でしょうもない人間なのである。惰眠と自己嫌悪で織られたような私の半生はもうここから死に向かって一瞬で通り過ぎるだけなのだろうが、それでも「すぐれた人間」にずっと夢見ていて、しかしそのためには自分がしたいと思っている努力を一つ一つ重ねていくほかない。こうした当為は案外誰も言葉にしてくれるものではない。

「いいですか/何かに依存する隙がないほど「今やること」を意識してください/その為には必要な行動がすぐとれるよう常に整理整頓しておくのです/「あとで」じゃなくて「今すぐに」です」

「大きな何かを成し遂げる必要はないのです/後ろめたくない日々を淡々と重ねてゆく/失った自尊心を回復させるには/そうするしかないんです」