幽霊の話の話

David Lowery監督のA Ghost Storyを観てきたんですよ。「a ghost story」の画像検索結果

か〜〜〜語る言葉をもたない映画というのを久々に観て、いったいこれはなんの話なんだろうな、まあ、タイトルの通り幽霊の話であってたぶんパンフレットを読むと幽霊にまつわる、人間が想いを寄せがちな思考実験が描かれているわけだが、この映画は言葉を付そうとすればするほど映画を観た瞬間に私が獲得した感情から絶妙にずれていく立ち位置にある映画で、やはり私はこの映画について、「幽霊の映画である」以外に語る言葉をもたない。映画中からおいおいと泣けてきて涙をふきふきしょうがなかったんだが映画が終わってぱっと明かりがつけばそんな涙目小僧なのは私だけで気恥ずかしかったのだがこれはけして「泣ける私、感受性」アピールではなくただ単に涙腺の弱いかもしれないだけの私がしょーもなく思えて恥ずかしかった。
サウンドトラックもすばらしく、すばらしいと思ったらSpotifyを開けばすぐにサウンドトラックが聴けるこの時代のありがたさ。
I Get Overwhelmedを聴いていると私も誰かが死んだようなもしくは私が死んだような気持ちになって、これまた恥ずかしいけど帰り道は後ろを少し振り返るなどもした。人は死ぬ、なにを遺しても人は死ぬし愛する人はいずれ去る、人はパーティーアニマルで人は恋人が死んだ人にチョコレートパイを贈る、幽霊はいるかもしれないしポルターガイストは起こるかもしれないが詰まるところはよくわからず幽霊自身にもわからず、人類も地球も宇宙もいずれ無くなるのだろう、私は何にしたってわからんが、わからないので、こういうきっとありきたりなものの一つに過ぎない(”A”)Ghost Storyとそれと交差する人間の感情に独りよがりにも思いを馳せた。いい映画だった。2018年12月23日現在ヒューマントラストシネマ有楽町にて。