精神が絶不調

精神が絶不調のときは浅田真央2014年ソチオリンピックのラフマニノフを見ると決めていて、曲と彼女の人生と動きのカタルシス、音の重なりが私が見逃していた世界の重厚さについて思い出させてくれる。
あーあーあー全然つまんない、毎日疲弊ばかりが積み重なって指先だけではした金を引き止める自分が全然つまんない、昔きっと大事にしたかったこと、和音の重なりみたいな、そういうものがここ数年まったく積み重ならないまま生きてく自分が虚しい。なんでこんな生活にすがりついているのかもよくわからないまま。体重はどんどん増えていって、(それは私が食事をコントロールできないからなんだけど)、残業すると鼻の脂とか足の臭さとかそういうものが酷くって何もかも醜くすべてがだめみたいな気持ちになる。おさだあんなさんも言うみたいに美容が自尊心の筋トレなのだとしたら私の自尊心は夜、ゴムみたいに伸び切ってしまってなにもかもがしんどい。正直なところこういう「エモーショナル」にまつわる語彙も表現も全然変わらないままでひたすら「しんどい」を繰り返している自分の文章を目の当たりにしなければならないのもしんどく、しかし吐き出す先はいつまでも必要としている。先日おすすめの本を聞かれて答えたけれどそれが六年も七年も前に読んだ本だと気づいて愕然とした 私は精神的な向上心なんて全くどっかに捨ててしまっていたのだった。もーどうしていいかも全然わからずわかるのだけど踏み切る勇気も知恵も金も体力もやる気もなく人生が30年くらいで終わればいいのにとゆるやかな自殺願望を密かに胸に抱える。頭のなかの濡れた和音はいまにもぱりぱりと乾いていって、ほんのささやかな刺激で風に吹かれる砂みたいにどっかにいっちゃいそうだ。私はきっと明日になれば元気でまた指先だけで仕事をこなし、指先だけの仕事でもきっとしっかり傷ついて、また絶不調になって、夜また自分の人生の歯がゆさを人のせいにしたりするんだろな。