2020年は8月1日に梅雨が明けた(関東地方)

梅雨が明けた。八月の週末って四回しかないんだなーと思うと、学生の頃より夏が好きになっている気がする。学生を長くやっていたけど、学生の夏といえば終り頃にゼミ合宿があって、ゼミ合宿では自分の研究発表をする場が設けられるので、大学生の夏休みが七月の頭からはじまるものでも、二ヶ月以上、その研究発表の場に向けてウンウンと勉強を続け、自分の頭の中の小さい教授の指摘、小さい先輩の小言、小さい同輩の進捗、等等に精神をすり減らされる毎日だった記憶である。
働き始めてから季節を感じることが少なくなった。朝起きて、そのまま会社に行き、空調のきいたオフィスで一日中仕事をし、帰る。日差しの眩しさ、緑の濃さ、虫虫の共鳴を知らないままに月が経つから春夏秋冬どれでもそれほど関係がない。
今年の夏は在宅勤務が続き仕事が忙しいなりにもそういった季節感を吸い込むことができるので、小さい頃の夏休みにしたあれこれと記憶が馴染んでいくような気がする。仕事は本当にきらいだが、在宅勤務なら時間の流れの中に自分が生きていることがわかるので比較的頑張っていけるかもしれない。かつ、時間の流れの中の、自分の中の、一日長くても十二時間程度を割くだけのちっぽけな部分が仕事であるにすぎない、と考えれば肩の力も抜けるので、激務&プレッシャーのわりには未だ健やかにやれている…いや、勤務時間長すぎだろ。マネージャーなんとかしろ。八月の週末は四回しかないから、なるべく仕事はしたくない。
今年は川に行きたい気がする。小さい頃、母に「川は危ないので重ねて気をつけるように」と叱られるかのごとく何度も言われたので川の怖さは知っているつもりだが、確か小学生のときに一度行った川の冷たさが今日はなぜか懐かしい。あとバーベキューとかしたい。強い火で焼いた肉はうまいんだ。海は好きだが砂があまり得意じゃない。水着を着たい。水着を何着も買う人の気持ちを今年は理解できる。そういえば恵比寿でフェデリコ・フェリーニの映画をやっているらしいので見に行きたいと思っている。と考えているうちに八月の週末がすべて埋まっていく。昨年までとは違う要素、感染症、長い梅雨、在宅勤務、余裕のある懐?…が少しずつ積み重なって、今年の自分はなんだか小学生のような気持ちで夏の休みまでの日にちを指折りにしているらしい。