韓国映画『パラサイト』がおもしろかった話

新年一発目、年末から見たくてそわそわしていた『パラサイト』を特別上映で見に行ってきた。こういうとき、東京ってのはいいやねえ。と実家でゆるんだ頭の時差をかけ直す。

ネタバレ、しないでくださいね!とキャスト総出で念を押し押し。私も『鬼滅の刃』やら『約束のネバーランド』やらの話題作をジャンププラスで無料分だけ読んでは残りはwikipediaのあらすじを読んで満足する、という妙な性癖があるので口を酸っぱくしたくなる製作者の気持ちもわかる。クリエイティブにとっては嫌な時代になったね…肝心の本編だけど、めちゃめちゃパワーがあり、おもしろかった。「100%予測できない」という触れ込みだが、というよりも予測できてもとにかく面白い。当然と意外が観る者にはまっていくさまが気持ちいい。こういうテーマを取り上げているのは日本映画でも多いけれど、テーマを真正面に取り上げてそこにあらわれる「機微」なんかを浮かび上がらせようとするのではなく、テーマを取り上げながらもそこに芯の通ったストーリーを打ち立てる韓国映画、強すぎる。これは『新感染』でも思ったことだった。この作品もめちゃくちゃおもしろかったな。(奇妙な邦題にしてしまった文化的敗北が私の胸を刺す。。。)

『パラサイト』を見るにあたって、韓国文化が全然わかんなかったらどうしようと思ったけれど振り返れば隣人よろしく韓国作品はいろいろ読んでるもんだな。韓国の全体的な状況は 82年生まれ、キム・ジヨンで語られていたし、韓国の大学生たちが置かれたすさまじい状況はチーズインザトラップに描かれていたなあ。

チーズ・イン・ザ・トラップ(1)

チーズ・イン・ザ・トラップ(1)

  • 作者:soonkki
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: コミック
 

 はーしかしこの辺の話もだけど、やっぱ韓国カルチャーってパワーありまくりやわ。すごいわ。情緒とかしみったれたマイナーチェンジを「文化」と呼ぶのを一旦止めにして、マジモンの感情を新しく創り上げることを、世界全体が求めているんだろうな。とりあえず2020年もたくさん勉強し、たくさん書いていきたい。