わたくしたち女はいつまで経っても選ばれる側の人間なのだ

渋谷なんて物騒な街を歩いていた時のことなんだけど、友人とのディナーに遅れ気味でやや小走りで人混みをかきわけかきわけていたら明確に私のところに一人の男性がやってきて明確に私の顔というか目というかを見ながら「脚が太いね」と言って立ち去っていった。
いまなんつった?と思うためにはそれなりの脳味噌内での処理がいるってなもんで、そのときは「はあ」とか「まあ」みたいな感じでさっと流したんだけど次の信号待ちで明快に男性の言ったことを構成しているとやっぱりそれは「脚が太いね」なのであった。

そんなこともあるもんですねえ生きていると。と思ったら翌日友人と遊んでいたら友人が突然前日のデート相手の話をしだしてなんじゃらほいと聞いていたら「そいつに好きなタイプは?って聞かれてさ、マルマルさんはどうなんですかって先に言わせてみたら『脚が太い女の子』って言うんだよね、で、もうなんかいやになって帰っちゃった。」

その友人は働き始めてから知り合った人で、働き始めてからと言えば会社にもこういう人間が多くいる。「あの子がかわいい」だの「あいつはブス」だの。

私がこういう、あらゆる、外見に関する様々な批評を聞くたびに思うのはこういうタイプのことを言う人って「自分が選ぶ立場にいる」と信じてやまないのだよね。自分が選ぶ立場にいる。自分は批評できる立場にいる。しかもたいてい、その選好や批評基準というのがどーーーしようもない性的な事象をはじめとする外見の話であったりする。

こういう話、必ずしも男性とか女性の話ではない。ただ、会社で男性から女性の批評(「あの子はかわいい」「あいつはブス」)を聞くよりも女性から男性の批評(「あの人かっこいい」)を聞くほうが心がおだやかなのは、やっぱり女性みたいな存在が置かれてきた場所の歴史的地層が分厚すぎるからで。

だから必ずしも男性と女性の分断の話ではないんだろうけど、私はやっぱりこういう批評にかちあってしまうたびに、私はうるせえっおまえのちんぽも見せてみろやい!!!!!!!!と叫んでしまう。おまえのちんぽも見せてみろ!!!!!私がショートパンツから太い脚を晒すように、お前もそのジーパンの前チャックから細いちんぽを見せてみろ!!!!!と叫んでしまう、てか渋谷の野郎にも叫んでやればよかったんだけど。

女性のみなさん、よろしければ男性をおもっくそ選別してやりませんか?できれば、ちんぽの大きさで。私の場合はすでに男性はガンガンちんぽの大きさで選んでいる。なぜちんぽの大きさで男性を選ぶかといえば、ちんぽの大きさというのはまじで男性を傷つけることを知っているから。もう完全に死語だけれども男性の三高、高身長高収入高学歴をはじめとして、「高身長男性は巨乳の女性くらいめずらしい」言説も然り、男性が求められるあり方というのは、女が性的に(つまり純粋にまんことちんぽの関係において)欲情することを許しておらず(身長がどうセックスに影響するというの?)、同時に男性を性的に消費される対象になることから逃してやっている。誰が逃すかよ!私だって男性を選ぶ立場になりたいし、選ぶことで誰かを傷つけるその優位性を味わってみたい。まじで、私たちだって選ぶ立場でありたいよ、できれば選ぶ基準を、女にとってのおっぱいとか、スタイルとか、顔とか、それに準ずる、どうしようもないものでガンガン差別してやりてえ、背の高さなんてそんな甘っちょろいもんじゃなくてさ、「脚が太いね」と笑う人に対して「おまえのちんぽはほそっこいなあ」と言ってやる、そういう、人間の本質とは1mmも関係のないようなマジクソな基準を押し付ける、そういう立場になってみたい。男性の三高の一つの「高」は勃起した男性器の床からの高さを示すんです。で、あなたは高いんですか、どうなんですか。
というわけで、顔とかスタイルとかその前にどうぞ、男性器の大きさをどうぞ世の中にさらしてください。身長180センチoverの男性は女性で言えばFカップ!みたい甘っちょろいこと言う前にどうぞ、女性のFカップで言うところの男性器の大きさをぜひ教えてください。女性の脚も顔もおっぱいも厳密には「性器」でないのだから不平等だ、というのならわたしも自分のまんこのサイズを、この、親指と人差し指をくっつけるオッケーマークにて、指し示しますので!

f:id:samatsu_03:20180719230735p:plain

※このエントリはすべてジョークです